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地球人のお荷物(ポール・アンダースン&ゴードンRディクスン)読了

SFのガジェットとして、ポピュラーすぎるものの一つが「宇宙人」である。
初めて地球人が宇宙人と出会うことを題材にした、いわゆる「ファーストコンタクトもの」
宇宙人と戦ったり、宇宙人同士が戦争したり、地球人が巻き込まれたりする「大戦もの」
密かに宇宙人が侵略してきたり、すでに侵略されていたりする「侵略もの」

いろいろあるが、伝統的なジャンルがもう一つ
つまりこれは宇宙人の話で、「コメディもの」なのである

地球人であるアレックスが不時着した惑星には、かつて地球人とファーストコンタクトしたっきり放置状態にあった宇宙人がいた。
身長は1mくらいのずんぐりむっくりな全身を、黄金色の柔毛に覆い、小さくて黒い瞳に、まるい鼻。ティディベアそっくりの宇宙人、ホーカ。
かつて地球人に出会った際触れた映画がきっかけで、彼らは、地球人の生活(ただし映画や小説といった虚構の中の地球人)に憧れ、種族あげて、その生活をマネしていたのだ。
荒野では西部劇そっくりのガンマンとカウボーイ社会が営まれ、ロンドン(彼らがロンドンとした地域)では、ホームズにモリアーティ教授が推理と悪事を競い、スペインではネモ船長という名の海賊が暴れまわるという・・・
もともと頭がいいうえに記憶力は抜群。映画のセリフはそらでいえるし、人間よりも強靭な体をしている彼ら、ちょっとした矛盾は代用品でごまかすくらいの融通を利かせるし、絞首刑の真似をしても首の筋肉があまりに発達しているため、死ぬことはない。

こんな世界に一人飛び込んだ地球人アレックスは、毎日右往左往させられる、という。
すごい、なごむ話です。安心して読める。
地球人のお荷物―ホーカ・シリーズ

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